酒の王を目指す道は続く
常務の内田喬智です。
私が先頭に立って企画している純米大吟醸・獅道 38(しど)と純米吟醸・蔵人の自慢酒。
読めないと評判のロゴからパッケージまで、すべて私が筆をとりデザインしています。
おかげさまで酒のほうは、ロンドン酒チャレンジやワイングラスでおいしい日本酒アワードなど国内外の酒類競技会で、素晴らしき評価を受けています。
われわれ下関酒造のフラッグシップ酒であり、酒庵「空」でも1、2位を争う人気商品です。
獅道 38は、その名の通りライオンの道を意味します。
大好きな動物なんですよ。
ライオンって百獣の王と言われていますが、初めからそんなことはありませんよね。
夢見るキングダムを求めて、一匹で、ひたすら彷徨い続けるんです。
理想のビジョンに向かって、グループに属さず独自に走り続ける下関酒造のように。
獅道 38の道程は一直線ではないのかもしれません。ただそのすべてが軌跡となって、
新しい時代の王道を築く、といった想いが込められています。
新しい感覚の若者たちで、日本酒の新時代をつくっていこうというコンセプトを持つ純米大吟醸酒。
2018年4月にリリースされたプロトタイプは、酒米の王様・山田錦を精米歩合50%で磨いて製造しましたが、2019年3月の第2段は精米歩合38%まで磨き、よりピュアな透明感を秘めた酒に仕上がりました。
精米歩合が50%から38%まで研ぎ澄まされたように、酒質は毎年バージョンアップします。
常に進化を遂げ、酒の王を目指す道が続いていくのです。
というわけで毎年味が違うから、ラベルには醸造年度を書いているんですよ。
今の下関酒造のレベルを知ることができる酒となっています。
蔵人の自慢酒にしても同様に毎年バージョンアップをします。
山田錦の精米歩合は50%で米の豊かさをしっかり残し、刺し身などのあっさりしたものから、洋食まで幅広い食事とマッチするようにつくっています。
ロンドン酒チャレンジ2019では最高賞のプラチナ賞に輝き、ワイングラスでおいしい日本酒アワードではプレミアム純米部門で2年連続の最高金賞を受賞しました。
今、国内外のコンピティションで最も評価を受けている日本酒です。
どちらも下関契約農家による下関酒造専用山田錦を全量使用しています。
ところでお米の磨き具合ってよく分からないという方が多いと思います。
酒米というものは、日本酒造りで必要な澱粉が米粒の中心にコアとして集まっているものなので、雑味の原因となる外側のたんぱく質や脂質などを削り落とすわけです。
ですので、精米38%というと、米の外側を62%削り落としているということですね。
削れば削るほど雑味はなくなりますが、それに比例して旨味も失われていきます。
つまり高精米にすればするほど良いというものではないのです。
下関酒造では契約農家と共同で研究した自らの専用米を使用していますので、磨き具合には拘りがあります。是非精米歩合ごとそれぞれの良さを体験してください。
獅道 38と蔵人の自慢酒。
ロンドナーに絶賛された現代デザインも含めて、ワールドスタンダードな日本酒を代表する銘柄に育つよう、努力してまいります。