伝統は革新の連続でつくられていくもの
社長の内田忠臣です。
下関酒造では、たくさんの人に、良い酒を、リーズナブルに飲んでいただきたいと日本酒造りに励んでいます。
そのために、吟醸酒など良質な清酒もローコストで生産ができる製造環境を整えました。
リーズナブルなお酒を提供するには、酒蔵の機械化は必須です。
酒処とは言えない下関の地で、蔵の経営を成り立たせるには、本質を見極めながら機械化で効率的に、高品質のお酒を醸造する必要があるからです。
もちろん、麹づくりは人の手が入ってもいいです。
しかし、私自身が蔵で酒造りを実際にした経験からすると、人の手じゃなくてもできる無駄な作業が多いのも事実。
無駄なところは機械化すれば、生産能力は上がりますから、おいしくてリーズナブルな酒をたくさんの人に提供できるようになります。
歴史が古い蔵では、今でも昔ながらの手づくりにこだわるところも多いです。
それ自体、否定はしません。
ただ私は、伝統は革新の連続でつくられていくものだと考えています。
革新がなければ、伝統は廃れます。
私は下関酒造に入る前は、造船所に勤務していました。
世界トップクラスの日本国内の造船所はもとより、世界の造船所と戦ってきました。
船の激しい受注競争の世界で勝つには、常に新しい技術に挑戦する必要がありました。
時には価格競争をする必要もありました。
それは、世界の舞台では常識です。
そんなバックボーンがあるから、私は伝統の日本酒業界の中でも、どんどん技術革新をすべきだと思います。
ローコストの酒造りでも、技術によって、良質でおいしい酒はできると信じています。
「酒米に適してないと言われたこんな米でも、こんなうまい酒ができるのか!」
そんな驚きを下関酒造から与えたいと思っています。